親しい人たちだけで、形式にとらわれず

 

 


 

 

親しい人たちだけで、形式にとらわれず

そもそも葬儀の「形式」って何でしょうか。
仏式とか神道とか、いわゆる「宗教形式」のことでしょうか。
或いは、一般葬や家族葬といった「参列形式」のことでしょうか。
どちらも正解です。
でも、「親しい人たちだけ」と「形式にとらわれないこと」はイコールではありません。

近年、家族葬がとても増えてきました。東京近郊では半数かそれ以上の方がお打合せの際に「家族葬で」とおっしゃいます。
その内の大体八割くらいが仏式の葬儀です。宗教離れが叫ばれているこんにちにあっても、です。
「形式」というのが宗教形式を指す時、「形式にとらわれないこと」の究極形は恐らく無宗教葬(自由葬)でしょう。確かに無宗教葬も昔に比べれば増えてはいますが、まだまだ主流とは言えません。
一方で参列形式を指す場合は、従来のような仕事関係、友人知人、ご近所などの参列をご遠慮いただき、近親者のみで執り行う家族葬が「形式にとらわれないこと」なのだと思います。

では、どうすればいいのでしょうか。
大切なのは、何に重きを置くか、だと思います。
菩提寺がいる、やっぱり戒名はつけてあげたい、読経がないと成仏できなそう。大切な人を想う、素敵な気持ちです。
宗教とはあまり縁がなかったから、だったら大好きだった音楽と献花で送ってあげたい。それも、素敵な気持ちです。
どちらがよいとか優れているとか、そういうものではありません。
皆様がどんなふうに故人を送ってあげたいと思っているか、それが大切なのです。

家族葬が選ばれている大きな理由のひとつが、遺族の身体的、精神的な負担の軽減です。
従来の大規模な葬儀では、遺族は深い悲しみの中にありながら参列者の対応に追われて、きちんと故人との別れに向き合えないことさえありました。
大切な家族との最後の時間を大事にしたい。家族葬が増えたのは、きっとそういう思いからなのだと思います。
今では家族葬という言葉もだいぶ浸透してきました。その分周囲の理解も得られやすくなっていますので、「家族葬で執り行います」と一言添えれば、参列者が押し寄せて大変なことになるといった事態はほとんどありません。

ですが、ひとつだけ忘れないでください。
故人を想い、故人の死を悲しみ、故人と最後のお別れをしたいと思うのは、ご家族の皆様だけではないということを。長年一緒に仕事をしてきた仲間、趣味の仲間、友人知人、近所の方。
特にお若い方、交友関係の広かった方、会社の代表などはその傾向が強いと思います。
その場合には、葬儀は家族葬で行い、後日お別れの会を設けるというのもひとつの手です。お気軽にご相談ください。